小型船舶操縦士免許取得の無料講座・練習問題   藤田海事代理士・行政書士 北海道札幌市  

上級運航 練習問題

上級運航 練習問題

  • 1級の試験科目で海図を使う試験問題ですが,当日の試験開始まで試験用海図第150号が使われるか,第200号が使用されるかわかりません。




上級運航 1

航海計画

全航程の距離

  • 問51 次の航海計画を海図上に記入し,全航程を求め,下のうちから選べ。ただし,風や海潮流の影響はないものとする。(第150号使用)
    「出航点A :大島西方海域 30°-02.0’N,135°-01.0’Eの地点から磁針路035°で航行
    第一変針点B :白埼灯台を右舷正横に見る地点で磁針路080°に変針
    第二変針点C :黄岬灯台を右舷正横に見る地点で変針
    到着点D :牛島北方海域 30°-05.0’N,135°-28.0’E」

(1) 約29.7海里
(2) 約31.3海里
(3) 約34.3海里
(4) 約36.9海里

  • 問51-2 次の航海計画を海図上に記入し,全航程を求め,下のうちから選べ。ただし,風や海潮流の影響はないものとする。(第200号使用)
    「出航点A :前島北西方海域 40°-33.0’N,139°-34.0’Eの地点から磁針路110°で航行
    第一変針点B :竹岬灯台を左舷正横に見る地点で磁針路135°に変針
    第二変針点C :秋島北灯台(Fl(3)12s)を右舷正横に見る地点で変針
    到着点D :秋島南東方海域 40°-14.0’N,140°-09.0’E」

(1) 約35.4海里
(2) 約38.0海里
(3) 約46.4海里
(4) 約49.8海里

所要時間

  • 問51-3 次の航海計画を海図上に記入し,全航程を速力12ノットで航行した場合の所要時間を求め,下のうちから選べ。ただし,風や海潮流の影響はないものとする。(第200号使用)
    「出航点A :冬島南東方海域 39°-52.0’N,140°-12.0’Eの地点から磁針路345°で航行
     第一変針点B :冬島の山頂を左舷正横に見る地点で磁針路335°に変針
     第二変針点C :春島の上埼灯台を左舷正横に見る地点で変針
     到着店D :前島南方海域 40°-25.0’N,139°-40.0’E」

(1)約3時間30分
(2)約3時間40分
(3)約4時間30分
(4)約4時間40分

  • 問51-4 次の航海計画を海図上に記入し,全航程を速力9ノットで航行した場合の所要時間を求め,下のうちから選べ。ただし,風や海潮流の影響はないものとする。(第150号使用)
    「出航点A :牛島北方海域 緑埼灯台を磁針方位190°,3海里に見る地点から磁針路330°で航行
     第一変針点B :大島の黄岬灯台を左舷正横に見る地点で磁針路280°に変針
     第二変針点C :白埼灯台を左舷正横に見る地点で変針
     到着店D :大浜港西方海域 30°-04.4’N,135°-00.6’E」

(1)約3時間3分
(2)約3時間20分
(3)約3時間50分
(4)約4時間

船位の測定

重視線の利用

  • 問52-1 大浜町の南方海域を一定針路で航行中のA船は,星山山頂と津島灯台のトランジット(重視線)をコンパス方位054°,長埼灯台をコンパス方位318°に測定した。A船の船位(緯度・経度)は,次のうちどれか。(第200号使用)
    (1) 40°-32.8’N,139°-48.2’E
    (2) 40°-32.7’N,139°-47.2’E
    (3) 40°-32.4’N,139°-47.8’E
    (4) 40°-32.1’N,139°-47.4’E
  • 問52-2 西川市の南方海域を一定針路で航行中のA船は,竹山山頂と赤岬灯台のトランジット(重視線)をコンパス方位330°,鹿島灯台をコンパス方位268°に測定した。A船の船位(緯度・経度)は,次のうちどれか。(第150号使用)
    (1) 30°-08.7’N,134°-53.4’E
    (2) 30°-07.6’N,134°-54.4’E
    (3) 30°-07.5’N,134°-53.5’E
    (4) 30°-06.4’N,134°-55.6’E

クロスベアリング(交叉方位式)

  • 問52-3 馬島の西方海域を一定針路で航行中のA船は,馬島西灯台(FL.4s)をコンパス方位083°,秋町北東方の東山山頂をコンパス方位350°に測定した。A船の船位(緯度・経度)は,次のうちどれか。ただし,このときの船首方向に対する自差は5°Wであった。(第150号使用)
    (1) 30°-20.2’N,135°-18.7’E
    (2) 30°-19.9’N,135°-19.5’E
    (3) 30°-19.7’N,135°-20.6’E
    (4) 30°-19.2’N,135°-18.9’E
  • 問52-4 川口沖港を一定針路で航行中のA船は,松埼灯台をコンパス方位032°,鹿埼灯台をコンパス方位100°に測定した。A船の船位(緯度・経度)は,次のうちどれか。ただし,このときの船首方向に対する自差は6°Eであった。(第200号使用)
    (1) 40°-25.4’N,140°-04.8’E
    (2) 40°-25.2’N,140°-05.4’E
    (3) 40°-24.5’N,140°-04.8’E
    (4) 40°-23.7’N,140°-05.2’E

レーダーによる測定

  • 問52-5 A船は,牛島の西方海域をコンパス針路205°(自差5°W)で航行中,レーダーにより牛島港防波堤北端を方位315°,距離5海里に測定した。A船の船位(緯度,経度)は,次のうちどれか。ただし,レーダーは相対方位指示とする。(第150号使用)
    (1) 30°-01.0’N,135°-21.6’E
    (2) 30°-00.9’N,135°-21.2’E
    (3) 30°-00.7’N,135°-20.7’E
    (4) 30°-00.5’N,135°-20.3’E
  • 問52-6 A船は,夏島の北方沖をコンパス針路260°(自差6°W)で航行中,レーダーにより前島南端を方位060°,距離3海里に測定した。A船の船位(緯度,経度)は次のうちどれか。ただし,相対方位指示とする。(第200号使用)
    (1) 40°-26.8’N,139°-35.3’E
    (2) 40°-26.8’N,139°-41.5’E
    (3) 40°-27.1’N,139°-42.0’E
    (4) 40°-26.3’N,139°-41.0’E

流潮航法

海流を加味した針路

  • 問53-1 A丸は,山野港沖を速力8ノットで航行中,牛埼灯台を磁針方位270°,距離4海里に見る地点に達した。この地点から,春島の馬埼灯台を左舷にみて,再接近距離4海里で航過するには,磁針路を何度にとればよいか。次のうちから選べ。ただし,この海域には流向110°(真方位),流速3ノットの海流があるものとする。(第200号使用)
    (1) 022°
    (2) 030°
    (3) 341°
    (4) 347°
  • 問53-2 A丸は,西川市東方海域を速力8ノットで航行中,赤岬灯台を磁針方位260°,西山山頂と青埼灯台をトランシット(重視)する地点に達した。この地点より大島の黄岬灯台に最も近づいたときの距離が3海里となるように航行するには,磁針路を何度にとればよいか。次のうちから選べ。ただし,この海域には流向040°(真方位),流速3ノットの海流があるものとする。(第150号使用)

(1) 083°
(2) 086°
(3) 113°
(4) 118°

海流の流向・流速

  • 問53-3 A船は,10時00分鹿島南端の鹿島灯台(Fl(3)18s)を磁針方位330°,距離3海里に見る地点から,磁進路055°,速力8ノットで航行を開始した。A船はその後も同一の針路,速力で航行し,11時30分に船位を測定したところ,西川港の赤岬灯台から磁針方位203°,距離3海里の地点であった。この海域における海流の流行(真方位),流速は次のうちどれか。(第150号使用)

(1) 255°・・・・2.9ノット
(2) 260°・・・・2.9ノット
(3) 255°・・・・4.4ノット
(4) 260°・・・・4.4ノット

  • 問53-4 A船は,10時00分,西山市南方の竹岬灯台を磁針方位010°,距離3海里に見る地点から,磁針路252°,速力8ノットで航行を開始した。A船はその後も同一の針路,速力で航行し,11時30分に船位を測定したところ,前島灯台から磁針方位161°,距離3海里の地点であった。この海域における海流の流行(真方位),流速は次のうちどれか。(第200号使用)

(1) 303°・・・・2.0ノット
(2) 303°・・・・3.0ノット
(3) 310°・・・・2.0ノット
(4) 310°・・・・3.0ノット

実航磁針路・実航速力

  • 問53-5 A船は,大浜市北西方の甲灯台を磁針方位082°,大島西端の乙岬灯台を磁針方位174°に見る地点から,磁針路274°,速力10ノットで航行を開始した。この海域には,流向340°(真方位),流速2ノットの海流があるものとして,A船の実航磁針路および実航速力を求め,次のうちから選べ。(第150号使用)

(1) 263°・・・・9.5ノット
(2) 279°・・・・10.3ノット
(3) 284°・・・・10.8ノット
(4) 288°・・・・11.2ノット

  • 問53-6 A船は,冬島西方海域の,沖ノ島灯台を磁針方位230°,距離3海里に見る地点から,磁針路350°,速力9ノットで航行を開始した。この海域には,流向075°(真方位)。流速2ノットの海流があるものとして,A船の実航磁針路及び実航速力を求め次のうちから選べ。(第200号使用)

(1) 331°・・・・9.3ノット
(2) 338°・・・・9.1ノット
(3) 356°・・・・10.2ノット
(4) 003°・・・・9.2ノット


航海計画に関する注意事項

航海計画に関する注意事項

  • 問54-1 航海計画に関する注意事項として適当でないものは,次のうちどれか。
    (1) できるだけ夜間航行を避けるように,ゆとりのある計画を立案する。
    (2) 岬,灯台,構造物などの顕著な目標を通過する予定時刻を算出しておく。
    (3) 全航程と自船の最高速度から航海時間を計算し,到着予定時間を設定する。
    (4) 航海中の気象,海象の急変に備えて,日程の変更等,計画に柔軟性を持たせる。
  • 問54-2 航海計画に関する注意事項について述べた次の(A)と(B)について,それぞれの正誤を判断し,下のうちからあてはまるものを選べ。
    (A)航海当日だけでなく,航海の数日前から気 象・海 象情報を収集し,今後の気象の傾向を把握しておく必要がある。
    (B)強風や波浪の場合と違い,濃霧の場合は,レーダーを装備していれば出港中止にする必要はない。

(1)(A)は正しく,(B)は誤っている。
(2)(A)は誤っていて,(B)は正しい。
(3)(A)も(B)も正しい。
(4)(A)も(B)も誤っている。

航海中の注意事項

  • 問54-3 停泊中の注意事項について述べた次のうち,適当でないものはどれか。
    (1) 潮汐に応じて,係留ロープの長さやフェンダーの位置を調整する。
    (2) 他船と係留設備を共有する場合は,他船が解らんしやすいように配慮して係留する。
    (3) 船を無人にするときは,緊急時に備えてエンジンをかけたままにしておく。
    (4) 他船の動静,気象,海象の変化,人の出入り等に注意する。
  • 問54-4 航海中の注意事項について述べた次の(A)と(B)について,それぞれの正誤を判断し,下のうちからあてはまるものを選べ。
    (A)常に前方の見張りに専念し,法規を遵守した操縦を行わなければならない。
    (B)常に船位の確認を行い,コースラインからのずれを照合し,修正を行わなければならない。

(1)(A)は正しく,(B)は誤っている。
(2)(A)は誤っていて,(B)は正しい。
(3)(A)も(B)も正しい。
(4)(A)も(B)も誤っている。

航海計器・救命設備・通信設備

  • 問54-5 膨張式救命いかだの取扱い上の注意事項について適当なものは,次のうちどれか。
    (1) 救命いかだは,風雨による劣化や船体の動揺による損傷を防ぐため,船倉に固縛しておく。
    (2) FRPコンテナに収納されているものは,内部のいかだが蒸れないように,ときどき通風換気をする。
    (3) 自動離脱器がついているものは,錆がつかないように,自動離脱器にペイントを塗っておく。
    (4) 自動離脱器に積み付けた場合は,いかだが自動的に膨張するように,作動策を船体に接続しておく。
  • 問54-6 レーダースコープに現れる映像を判読する場合の注意事項として適当でないものは,次のうちどれか。
    (1) 映像の大きさは,物標の大きさ及び物標までの距離に比例して現れる。
    (2) 海岸線の映像は,海図に記載されている岸線のとおり現れないことが多い。
    (3) レーダー電波の反射経路により,一つの物標の映像が二つ以上現れることがある。
    (4) レーダー使用中の他船が近くにある場合,レーダースコープの中心から外周へ向かってらせん状の破線が現れることがある。

解答
 

気 象・海 象

気象予測


天気図3
  • 問55-1 右図は,日本付近の地上天気図の一例(概略)を示したものである。この気圧配置における,日本付近の気象状況について述べた次の文の(  )にの中にあてはまる語句の組み合わせとして適当なものは,下のうちどれか。
    「冬から春にかけて現れる気圧配置で,日本の南岸沿いを低気圧が発達しながら北東に進む。上空に強い( ① )があり,低気圧が陸岸からあまり離れずに進行すると,( ② )側に( ③ )をもたらすことがある。」
(1)寒 気太 平 洋大 雪
(2)暖 気太 平 洋大 雨
(3)寒 気日 本 海大 雪
(4)暖 気日 本 海大 雨


天気図4
  • 問55-2 右図は,日本付近の地上天気図の一例(概略)を示したものである。この気圧配置における,日本付近の気象状況について述べた次の文の(  )にの中にあてはまる語句の組み合わせとして適当なものは,下のうちどれか。
    「冬から春にかけて現れる気圧配置で,東シナ海で発生した低気圧が急速に発達しながら日本海を北東進する。低気圧に向かって暖かい( ① )の風が吹き込み,( ② )側では,( ③ )現象によって高温で乾燥した強風が吹き,大火や雪崩のの原因となることがある。低気圧の通過後は,( ④ )の季節風が吹き返し,風雨が強まる場合がある。
(1)北より太 平 洋エルニーニョ北 西
(2)南より太 平 洋フェーン南 西
(3)北より日 本 海エルニーニョ南 西
(4)南より日 本 海フェーン北 西


天気図5
  • 問55-3 右図は,日本付近の地上天気図の一例(概略)を示したものである。この気圧配置における,日本付近の気象状況について述べた次の文うち,適当でないものはどれか。

(1) 勢力が同じくらいの太平洋高気圧とオホーツク海高気圧の間に梅雨前線が出きる。
(2) 発達した低気圧が,停滞している前線上を中国南部方面から東に進み,雨を降らせる。
(3) 梅雨の末期には,豪雨を降らせることがある。
(4) 前線が停滞する期間は3ヵ月に及ぶ。

  • 問55-4 日本付近の地上天気図を見て,低気圧の中心の進行方向や発達について予測する場合の一般的な着眼点として適当でないものは,次のうちどれか。

(1) 海上から陸上に進むと,勢力が強くなる。
(2) 寒冷前線が温暖前線に追いつくと,やがて衰える。
(3) 付近に別の低気圧があると,その方向へ進行する。
(4) 進行方向に高気圧があると,速度が遅くなる。

  • 問55-5 温暖前線の接近にともない,現れる雲の種類はどのように変化するか。変化の順序を示した次の(1)~(4)のうち,適当なものはどれか。

(1)高積雲 → 高層雲 → 乱層雲 → 巻層雲
(2)巻層雲 → 高積雲 → 高層雲 → 乱層雲
(3)乱層雲 → 巻層雲 → 高積雲 → 高層雲
(4)高層雲 → 乱層雲 → 巻層雲 → 高積雲

  • 問55-6 寒冷前線について述べた次の文の,番号を付した部分について述べた次の文のうち,誤っているものはどれか。

「寒冷前線は,寒気が暖気を押し上げながら進行するので,積乱雲や積雲を生じて,通過するとき ①雨を降らせる。 この前線が通過すると気温は下がり, ②風向きが急変する。 また,速度の速い寒冷前線が通過するときは,特に ③風に対する注意 が必要である。なお,冬季,温帯低気圧から伸びる寒冷前線が通過すると,数日間, ④強風 が吹き続くことがある。」

(1)①の雨は,しとしとと降る雨である。
(2)②の風向きは,南~南西から,北西~北に急変する。
(3)③の風は,急激に吹く「突風」である。
(4)④の風は,大西風とも呼ばれる。

潮流・海流


海流2
  • 問55-7 右図は,日本近海の海流の状況を示したものである。図中の(ア)の海流の名称は,次のうちどれか。

(1)リマン海流
(2)親 潮
(3)対馬海流
(4)黒 潮

  • 問55-8 潮流について述べた次の文の(  )の中にあてはまる語句として適当なのは,下のうちどれか。
    「潮汐によって生じる海水の流れを潮流というが,この潮流の流速は,鳴門海峡や来島海峡においては最大(  )にも及ぶことがある。」

(1)2~3ノット
(2)5~6ノット
(3)9~10ノット
(4)13~14ノット

潮 汐

  • 問56-1 明石市における9月10日午後の高潮時の潮時潮高を求め,正しいものを次のうちから選べ。ただし,潮汐表によると明石の標準港は神戸で,潮時差は+0h 50m,潮高比は0.72,神戸港の当日の潮汐は下の表のとおりである。
      9 月 
   時 刻    潮 高
   h  m     cm
   00 19     99
10  06 08    161
   12 51     35
   19 09     167

(1) 19時59分,約239cm 
(2) 19時59分,約120cm
(3) 18時19分,約217cm
(4) 18時19分,約95cm

  • 問56-2 厚岸における6月1日午後の高潮時の潮時潮高を求めよ。潮汐表によると厚岸の標準港は釧路で,潮時差は+0h 5m,潮高比は1.03,釧路港の当日の潮汐は下の表のとおりである。
      6 月 
   時 刻    潮 高
   h  m     cm
   02 39    133
1   10 02     4
   17 10    121
   21 48     93

(1) 17時05分,約18cm
(2) 17時05分,約121cm
(3) 17時15分,約125cm
(4) 17時15分,約224cm

  • 問56-3 築地における9月10日午後の高潮時の潮時潮高を求めよ。潮汐表によると築地の標準港は東京で,潮時差は+0h 20m,潮高比は1.03,東京港の当日の潮汐は下の表のとおりである。
      9 月 
   時 刻    潮 高
   h  m     cm
   04 14    198
10  10 53     33
   17 27    202
   23 08     84

(1) 17時47分,約203cm
(2) 17時47分,約208cm
(3) 17時07分,約223cm
(4) 17時07分,約208cm

  • 問56-4 石垣(石垣島)における9月12日午前の高潮時の潮時潮高を求めよ。潮汐表によると石垣(石垣島)の標準港は那覇で,潮時差は+0h 10m,潮高比は0.77,那覇港の当日の潮汐は下の表のとおりである。
      9 月 
   時 刻    潮 高
   h  m     cm
   01 53     58
12  07 52     214
   14 11     38
   20 22     207

(1) 07時42分,約137cm
(2) 07時42分,約165cm
(3) 08時02分,約165cm
(4) 08時02分,約291cm

  • 問56-5 岩国における8月10日午前の低潮時の潮時潮高を求めよ。潮汐表によると岩国の標準港は広島で,潮時差はー0h 5m,潮高比は1.03,広島港の当日の潮汐は下の表のとおりである。
      8 月 
   時 刻    潮 高
   h  m     cm
   03 45     207
10  10 42      31
   17 37     230
   23 09     118

(1) 10時37分,約32cm
(2) 10時37分,約72cm
(3) 10時47分,約72cm
(4) 10時47分,約134cm

荒天航法

荒天航法

  • 問57-1 シーアンカーについて述べた次の文のうち,適当でないものはどれか。

(1) シーアンカーがないときは,材木や魚網,セール等を用いて作製する。
(2) 船首を波に立てて横波を受けないようにするには,シーアンカーを利用する。
(3) 追い波の中を航行するときには,プロペラにシーアンカーを巻きつけて速力を抑える。
(4) シーアンカーは荒天時だけでなく,舵が故障したときにも利用できる。

  • 問57-2 荒天時の航法について述べた次の文のうち,誤っているものはどれか。

(1) 横揺れが大きくなったときには,針路と速力を変えて動揺を最小限に抑える。
(2) 船首を波に立てて横波を受けないようにするときは,シーアンカーを利用する。
(3) 追い波の中を航行するときには,プロペラにドローグを巻きつけて速力を抑える。
(4)ドローグは荒天時だけでなく,舵が故障したときにも利用できる。

  • 問57-3 荒天準備について述べた次の文のうち,誤っているものはどれか。

(1) 移動するおそれのある貨物をロープで固縛する。
(2) 倉口,舷窓などの開口部を密閉する。
(3) デッキ上にライフラインを張りわたす。
(4) デッキ上のスカッパを密閉する。

  • 問57-4 荒天航行に関する事項について述べた次の文のうち,適当でないものはどれか。

(1) 陸風の場合は,岸付近は穏やかである。
(2) 海風の場合は,岸付近は波が高くなっている。
(3) 風浪を船首から20°~30°方向から受けるように航行する。
(4) 追い波の時は,波の下り斜面に位置を保つように航行する。

台風避航

台風避航
  • 問57-5 右図に示す地上天気図のように,日本付近を台風が矢印の方向に進む場合,台風の進行に伴い,( ア )地点の風向きは,一般にどのように変化するか。次のうちから選べ。

(1) 東 → 南東 → 南 → 南西
(2) 東 → 北東 → 北 → 北西
(3) 西 → 南西 → 南 → 南東
(4) 西 → 北西 → 北 → 北東

  • 問57-6 自船が台風の進行方向の左半円にいるときは,一般に風波をどの方向から受けて避航するのがよいか。次のうちから選べ。

(1) 右舷船首 
(2) 右舷船尾
(3) 左舷船首
(4) 左舷船尾

  • 問57-7 日本近海を航行中のA船は,台風圏内に入ったことを知り,気象の変化に注意していたところ,東の風が強くなり風向きがほとんど変わらないまま,気圧が次第に降下していることがわかった。この時点までの台風の中心の進路は,ほぼどの方向と判断されるか。次のうちから選べ。

(1) 北北東
(2) 東
(3) 西
(4) 北北西

  • 問57-8 台風の進路予測について述べた次の( A )と( B )について,それぞれの正誤を判断し,下のうちからあてはまるものを選べ。

(A) 太平洋(小笠原)高気圧に沿って,西よりに進んできた台風が,転向点にて北向きに進路を変え,やがて上空のジェット気流の影響により東よりに進むようになる。
(B) 台風が転向する転向点は,太平洋(小笠原)高気圧の東の縁にある東西に伸びる気圧の谷の付近である。

(1) (A)は正しく,(B)は誤っている。
(2) (A)は誤っていて,(B)は正しい。
(3) (A)も(B)も正しい。
(4) (A)も(B)も誤っている。

海難防止

海難事例

  • 問58-1 Y丸は,ダイビング客の案内及び送迎に従事するFRP製遊漁船で,A船長1人が乗り組み,同乗者5人を乗せダイビングの目的で出港した。
     出港にあたって,A船長が発航前の点検を行ったところ,日頃は見られない少量のビルジをエンジンルーム底部に認めたが,排水すれば大丈夫であろうと考え,浸水箇所の有無を確認しなかった。
     ダイビングスポットに到着し,ブイに係留した後,A船長は同乗者1人を船に残して,他の同乗者と共にダイビングを始めた。Y丸は,航行中の振動等で浸水箇所が徐々に広がり,A船長がダイビングをしている間にも浸水が続いていた。
     A船長は,ダイビングを終えて船上に戻ったところ,Y丸が左舷側に傾斜していることに気付き,異常を感じてエンジンルームを見ると,エンジンルーム底部から約60cmの高さまで海水が浸入しているのを認めた。A船長は,急いで付近のダイビングボートに連絡し,同乗者や機材を移した後,バケツで排水した。その結果,エンジンに濡れ損を生じた。
     上記の海難事故について,その主要原因は,次のうちどれか。

(1) 水域調査が不十分であった。
(2) 浸水箇所の点検及び整備が不十分であった。
(3) ビルジの排出が不十分であった。
(4) トリム調整が不十分であった。

  • 問58-2 S丸は,定員3名の船外機を備えたFRP製プレジャーボートで,A船長1人が乗り組み,同乗者1人を乗せ,沖合の釣り場で釣りを行った後,帰港するために港へ向け全速力で航行していた。
     港の入り口に達したところで風波が強くなってきたため,A船長は速力を全速力より少し落とし,約6ノットの対地速力として波の衝撃を緩和するとともに,同乗者を船体中央に,自らは右舷側の操縦席にそれぞれ腰掛け,船体の安定を保つよう対処した。
     その後,A船長が港入り口の浮標を回り込むため,ゆっくりと左転を開始したところ,右舷正横方向に高速力で入港してくる漁船を視認した。漁船がS丸の近距離を追い越して右舷前方約50メートルになったところで,漁船の起こした航走波か近づいてきたが,A船長は,これぐらいの航走波であればこのまま進行しても大丈夫と判断し,左転を続けた。
     この直後,右舷正横から航走波が押し寄せ,船首方向と航走波がほぼ平行となり,最初の航走波を横揺れしながら乗り切ったものの,次の波面により船体が持ちあげられ,左舷側に大傾斜して復原力を喪失し,S丸は転覆した。
     上記の海難事故について,その主要原因は,次のうちどれか。

(1) 気象に対する配慮が不適切であった。
(2) 復元性に対する配慮が不適切であった。
(3) 航走波に対する配慮が不適切であった。
(4) トリムに対する配慮が不適切であった

  • 問58-3 S丸は,FRP製プレジャーボートで,A船長1人が乗り組み,同乗者2人を乗せ,魚釣りの目的で放水路に面したマリーナを出港し,沖合の釣り場に向かった。
     A船長は,マリーナ沖合で魚釣りを行っていたが,時々現れる波高の高いうねりにより,船体の上下運動が周期的に大きくなっていることに不安を感じたこと,釣果が思わしくなく,さらに同乗者が船酔いをしたことから,マリーナに帰ることとして釣り場を発進した。その際,防波堤入り口から水上オートバイが出港してくるのを見かけた為,防波堤付近に危険を及ぼす波はないものと思い,放水路中央に向け手動操舵により進行した。
     S丸は,防波堤の先端付近に至ったところで,右舷後方から打ち寄せるうねりで船尾を左方に押され,折から高起した磯波を右舷正横に受けたことにより,右舷側から波面にあおられて左方に大傾斜し,復原力を喪失して転覆した。
     放水路の海側からの入り口は防波堤によって形成され,防波堤先端付近の水深が急に浅くなっており,沖合から波高の高いうねりが防波堤先端に打ち寄せると,高起した磯波が発生するが,A船長は長年にわたり何回も防波堤入り口を航過した経験を持ち,水域事情は十分に承知していた。
     上記の海難事故について,その主要原因は,次のうちどれか。

(1) 速力が過大であった。
(2) 磯波に対する配慮が不十分であった。
(3) 見張りが不十分であった。
(4) 手動操舵で航行した。

  • 問58-4 K丸は,FRP製プレジャーボートで,A船長1人が乗り組み,同乗者5人を乗せて,魚釣りの目的で出港した。K丸には,GPSプロッターとヨット・モーターボート用参考図が搭載されていたが,通信連絡用機器は装備されていなかった。
     出港後,のり養殖施設に沿いながら釣り場まで航行し,釣り場に到着したところで釣りを始めた。しばらくすると,風向が変わり,風力もやや強さを増してきたことから,天気予報で夕方から下り坂との情報を得ていたA船長は,魚釣りを切り上げて帰ることとし,手動操舵で帰港を開始した。
     しかし,A船長は,船位の確認方法をよく知らなかったので,GPSプロッターの航跡を見ながら航行すれば良いと考え,船位の確認をしないまま航行を続けていたところ,風潮流の影響により,のり養殖施設に急速に接近することとなった。A船長は黄色の標識ブイを発見したので,慌ててエンジンを中立にしたが,間に合わず養殖施設のロープがプロペラに絡んだ。
     その後,全員が救命胴衣を着用しないままロープの絡みを解こうと懸命になるうち,ロープに引き込まれる状態でK丸が転覆し,海岸まで泳ぎ着いたA船長を除く5人の同乗者は全員溺死した。
     上記の海難事故について,その直接の原因と考えられないものは,次のうちどれか。

(1)船位を確認せず,のり養殖施設に接近した。
(2)救助を要請するための通信手段がなかった。
(3)全員に救命胴衣を着用させていなかった。
(4)手動操舵で航行した。

  • 問58-5 Y号はFRP製水上オートバイクで,A船長1人が乗り組み,ウェイクボーダー及び見張り員を乗せ,ウェイクボードを行う目的で出港した。
     沖合いに到着し,ウェイクボーダーをスキーロープでトーイングしていたところ,ウェイクボーダーが転倒したため,A船長は,エンジンを停止し,見張り員にスキーロープを回収するよう命じた。続いてA船長は,エンジンの始動を試みたが,なかなか始動しなかったため,スロットルを一杯に引きながら再度始動を試みたところ,突然エンジンが始動して急発進し,後部座席でスキーロープを回収していた見張り員が,左手にスキーロープを束ねた状態のまま落水した。
     この結果,見張り員は緊張したスキーロープが指先に絡み,左手指を切断してしまった。
     上記の海難事故について,その直接の原因と考えられないものは,次のうちどれか。

(1) 見張りが不十分であった。
(2) スロットル全開でエンジンを始動した。
(3) エンジン始動を,見張り員が,スキーロープを全部回収するまで待たなかった。
(4) 見張り員に,声をかけずにエンジンを始動した。

  • 問58-6 K丸はGPSプロッター搭載のFRP製プレジャーボートでA船長1人が乗り組み,同乗者5人を乗せ,釣りの目的でマリーナを発した。
     A船長は,手動操舵でB島西方に向けて航行していたが,B島西方に釣り船2隻が漂泊しているのを認めたので,これを避けてB島東方に変針した。このB島東方には,多数の暗礁が存在し,船舶の航行に危険な海域となっており,方位標識が設置されていた。しかし,A船長は,日頃からB島付近を頻繁に航行していたものの,常に西方海域を航行していたので,東方海域を航行した経験は全くなかった。
     A船長は,B島東方を航行するにあたり,GPSプロッターの表示を確認したところ,プロッターにはB島と方位標識は表示されていたものの暗礁は表示されておらず,目視によっても航行上の障害となるものは視認できなかった。このため,備え付けの海図によって水域の

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